「歯がしみる！むし歯かな？」と当院を受診される方は多くいらっしゃいます。お口の中を見てみると、確かにむし歯が原因でしみている場合もありますが、「象牙質知覚過敏症」を起こしている方もいらっしゃいます。「象牙質知覚過敏症」とはなんでしょうか？略して「知覚過敏」。歯磨き粉のテレビコマーシャルでもなじみがあるかと思います。

歯の表面にあるエナメル質（白くかたい組織）が欠落して、その下にある象牙質（黄色味がかっておりエナメル質より柔らかい組織）がむき出しになっている状態です。象牙質は細い管がたくさん走っており、風、冷水、温水、歯みがきなどによる刺激が管を通って神経に伝わり、「痛い」「しみる」という症状となって現れるのです。症状は一過性（しみる！という感覚が2~3秒くらいで消える）のことが多いです。

エナメル質が欠落する原因は、歯の破折、咬耗（噛むことで歯がすり減る）、摩耗（歯みがきなどによって歯がすり減る）、早期接触（不適切なかみ合わせ）、酸蝕症（強い酸で歯が溶ける）などです。

また歯周病の進行に伴い、歯がしみることもあります。歯周病で歯ぐきと歯槽骨（歯ぐきの下の歯を支える骨）が下がることで、エナメル質に覆われていない歯の根っこの部分がむき出しになるからです。

「しみる！」といっても原因はむし歯だけではなく、引き起こしている要因も様々で治療法も様々です。中には日常生活での習慣を少し改善するだけで症状が楽になることもあります。気になる方はお近くの歯医者さんに相談してみてくださいね！